CasesNotes

大林組 Port Plus

大林組の横浜支店を建て替えて、自社の研修施設にするというプロジェクト。
鉄骨の周りに木を貼る、というようななんちゃって木造でなく、高さ31mを超える、高さ44m・11階建ての純木造耐火高層建築。
木造建築の良いところは軽いところ。100尺の高さ規制のあるエリアなので、元の建物からは13m分以上、3,4層は高くなっているはずだが、基礎は再利用なので工事も静か。だったらしい。今回はセットバックにより余所より高層にして眺望を確保。

この規模の純木造が日本でできるようになったことは正直感慨深い。長谷見先生やその他の関係者の地道な努力の成果だ。
内装的にも、木部とそうでない部分のバランスがほどよく、しつこくない。

木部が一部、外部に表しになっているなど、かなりチャレンジング。自社ビルだからなせる技。
構造としての木部、燃え止まり層(石膏ボード)、燃えしろ層、でさらに木の仕上げということで、このこの仕上げの木部は劣化すれば交換する前提。

構造としてもリユースを目論んでいるが、まあ100年は余裕で使われるだろう。建設会社としては、50年くらいで建て替えて欲しいのだろうが、願望がコンセプトによく表れている。

基本的に、見える木部はすべてなにがしかのコーティングがされている。ちょっとテカテカしているので、よくできたプリントに見えなくもない。
こういう経験の積み重ねが、今後の木造建築の深化には重要だろう。


https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220520_1.htm