080523 温暖化と石油高騰

今日の新聞を見ていると、温暖化対策と石油の高騰が同じページに書かれているのだが、その断絶には唖然とするばかりである。二酸化炭素の排出抑制を唱えながら、その横では産油国に石油増産を呼びかける記事を掲載している。

最近、会う人に「日本が二酸化炭素を0にしたとしても、地球温暖化の防止には何の役にも立たないと思うが、どう思うか?」と質問している。もちろん、議論の入口としての質問なのだが、これに明確な反論をできる人に会ったことがない。
私の主張はこうだ。

①二酸化炭素の世界的削減とは、石油や石炭などの化石燃料の消費、即ち生産量を抑えることである。効率化がいくら進んでも、生産量が伸びれば排出量は増える。
②先進国が消費を抑えれば、需要が減り価格が安くなる。安くなれば途上国も買えるようになり、結局消費は減らない。価格も上昇する。
③つまり、化石資源が市場商品である以上、需要が増えるのに消費を抑えることはできない。先進国の需要を抑えることはできるが、途上国を減らすことなどできるのか? 先進国の経済発展は途上国の発展を前提としており、現時点で化石燃料の消費を減らしながら、発展するというようなことが途上国で可能なのか?
④生産量が減るとすれば、それは生産能力が限界を超えたということで(つまりオイル・ピークを迎えた)ということで、需要に応じて価格が上昇する。一定以上高くなれば、エネルギー的・原料的価値が無くなり、需要も減りさらに生産量は減る。
⑤つまり、現在の石油生産量を意図的に抑えることはできず、資源量の限界から、生産量が減るのを待つしかない。
というものである。
勿論、実質的な省エネへの投資(国際的な排出権取引などではない)は、石油が高騰した場合への備えであり、決して無駄ではない。どんどん進めるべきである。しかし、それは温暖化防止というよりは、次の世代の生活水準を保つため(少ないエネルギーで快適を実現する)の投資ということになる。
別のところにも書いたが、温暖化の防止には石油生産量を抑えるしかない。石油・石炭生産国は限られているわけで、彼らに生産量のキャップを設け、段階的に減らしてゆけばよい。例えば価格を徐々に上げて、生産量を徐々に下げていけば、産出国としての収入は確保されるわけで、交渉の余地はあるのではないかと思う。
さて、これは多分に技術者の想像も含んでおり、国際関係、経済学寄りの話である。大きな誤解をしているかも知れない。どなたかご指摘いただければ幸いである。