タイ伝統民家の洪水対策
アユタヤ地域の伝統的な民家。
最近は木造価値の再発見があり、同じような意匠で新築も見られる。
これが建っているところは、川のすぐ横で堤防の内側。日本だと河川敷に当たるとおもうのだが、それなりに集落が点在している。
写真にもあるように、ほぼ全ての世帯が船を有して洪水時に近くの道路までは船で移動。
群棟になっているのは、親世代の棟、子ども世帯の棟、と増築を繰り返すかららしい。
徐々に水位が上がる大河型の洪水なので、激流が押し流す(岸辺のアルバム 的)ことはほぼないらしい。
荒川・江戸川の決壊で想定されるのは、川近くは激流だがそれ以外はゆっくりと上昇して、なかなか水が引かないタイプの洪水で、そのようなエリアではこのような高床型で避難しないというあり方も、検討すべきだろう。
このエリアの住民も、想定水位の高まりにともなって、床を上げる改修を自前で行っている。
※ 水位が高まっているのは、バンコク市街地の堤防嵩上げが進み、その分排水速度が遅くなって上流部の水位が上昇することになったらしい。