Notes

20110319 夏に向けて何をすべきか2

(・e・)
ひよこまーく東京電力さんが、原発以外の発電所の現状を公表した。こういう情報がちゃんと出てきたのすばらしい。
ここで注目すべきは、はやり火力発電所が結構止まっていることだ。
東京の大井火力発電所も含め、出力675万kW分が止まっている。つまり福島の原発分と合わせて、1584万kW分が止まっている。現在の供給力は3350万kWとされているので、実に30%分が止まったことになる。茨城が停電していることもあるが、よくこの程度の輪番停電で済んだものだ。
これを受けると、前回の「夏に向けて何をすべきか」は少し甘すぎた。火力の損傷次第だが、仮に修理が間に合わなかったとすると、停止分は東電の通常の供給力の25%にも相当する。
2003年と現在も、原発以外の潜在的な供給力(古い火力の再稼働や融通など含め)が5800万kWと仮定すると、原発と合わせて7530万kWの潜在供給能力があることになるが、現在の停止分を引くと5946万kWということで、夏の需要6000万kWはギリギリ足りることになる。これには現在定期検査中の柏崎の原発も当然含まれる。
気候次第で-400万kW~+400万kW程度動くので、猛暑だと完全に足らなくなる。仮に猛暑の需要を6400万kWとすると不足分は7.6%になる。
従って火力発電の損傷がどの程度かで、今後の対応も大きく変わってくる。全力で点検・修理されていると思うが、頑張って欲しい。
少々ややこしいので、以上をまとめると次のようになる。
1.今回損傷を受けた火力と原発を合わせると、東電の通常の供給力の25%程度になる
2.今年の夏が通常の夏なら、稼働していない火力や融通が2003年のようにできれば、ギリギリ電気は足りる
3.猛暑だと、稼働していない火力などをかき集めても9%程足りない
ということになる。
前回は不足を15%と見ていたので、運用対策だけでも対応は可能としていたが、25%となるとちょっときつい。古い空調機器のトップランナーへの切り換えや、窓硝子へ遮熱フィルムの貼付など、積極的なハード対策も不可欠になる。
この際、希望する需要家には、スマートメーターへの置き換えを前倒しして、需要に応じて電力料金を変える、ロードプライシングなど本格的なデマンドサイドマネジメントを始めてみてはどうだろうか。
それからさらにその上にバカンス法。是非ともよろしくお願いしたい。