2025年 オール熊野フェスタに参加

かれこれ10年以上共同研究からまちおこし支援(?)へと発展し続いている三重県熊野市でのイベントに参加。
三重大坂本研究室、近畿大学佐野研究室、地元縁故のアーティスト山川陸さんらとの合同事業。

基本は夏に開校予定の「熊野こどもだいがっこう」の宣伝を兼ねたチームビルディング、前哨戦。
こども大学校は、地元の商工会議所青年部が、田舎の地元には仕事がないと思い込んでいる現状をひっくり返そうと、小学校中高学年程度を対象に、地元の事業者の仕事を体験プログラムに仕立てて提供している。今年2年度目。

三重大が漁業、近大が大工、早稲田が林業・林産業を担当。
研究室が提供したプログラムは、毎年恒例となっている丸太切り競争と、製材所で出たはね材を葉書大に加工した、ハガ木絵付け投函体験。熊野こども大学校では、山に入って間伐、製材所での木取りを1日体験する。

丸太きりはリピーターも出る人気のプログラムなのだが、大学生とてほぼ初心者でまずはそこからたたき込まないといけない。
競争ということで、一応時間をはかっているのだが、一昨年と今年は高口が最速。なんか欲しいところだ。22秒。
参考値として最初にやるので、ノコギリの切れ味が良いのではないか疑惑がでて、途中で再計測して28秒。

最強の敵、現職の酔っ払いの木こりも登場したが30秒台でディフェンディング。

バンドン SATREPS DeLCA Energy Workshop

インドネシアの建築研究所、インドネシア教育大などと、バンドンにてSATREPS DeLCA Energy Workshop を開催しました。オンサイトに10名ほど、オンラインに20名ほどが参加し、これからのアフォーダブルハウスの低炭素化について議論。モヤモヤとしたことがいろいろあったのですが、完全にとは言わないまでも、大分霧が晴れたように思います。

本来であれば、このようなワークショップをプロジェクト初期に繰り返し行いたかったのですが、パンデミックによってできず仕舞い。オンラインではやっているのですが、なかなか突っ込んだ話はやはり難しい。プロジェクト後半ですが、もう少し繰り返したいと考えています。

写真には、早稻田と東工大、広島大で学位を取得した(予定含む)研究者がおり、人的な繋がりが強化されるのもこのプロジェクトの良いところです。

ジャカルタでのパッシブ住宅調査

SATREPS DeLCAの一環で、ジャカルタ近郊の住宅地でパッシブデザインを取り入れた住宅を見学。
予算の関係もあり、徹底したとまではいえないが、エアコンをなるべく使いたくない、というそれなりの富裕層がいることの確認にはなった。

ホーチミンのフローティングハウス

ホーチミン在の佐貫大輔氏のご厚意で、川縁に建つ個人住宅を見させていただいた。
立派なフレンチコロニアル風(たぶん。この写真の手前)の母屋の前庭を利用した若夫婦のための家。サイゴン川と幹線道路に挟まれた浸水域に位置するので、道路面からは1.5mほどFLが上げられた、親水害型の住宅。

一階は寝室で見せてもらえなかったが、収納に風呂場、トイレがある。二階はリビングとダイニング。周りをぐるっとテラスが囲み、建具を開放すれば周りの自然と一体化する開放的な空間となる。訪問時は室温30℃、湿度55%程度だったが、少し汗ばみはするが風が流れて、仕事をしたりおしゃべりするには問題ない環境。網戸が一部しかない(夜間に開ける想定の窓)ので、スプレーは必須らしい。

妙に親近感を覚えた佐貫氏。小さいアイコンで自分だと思って開いたら佐貫氏だった。
ベトナムとの縁は、未来開拓事業でハノイに作ったスペースブロック(設計はシーラカンスの小嶋さん)の担当者として常駐したことがきっかけらしい。自分もその前年に始まった同じ未来開拓事業で、富山の職芸学院に完全リサイクル型住宅の担当者として、島崎棟梁宅に居候していた時と重なるので、その背景もまた似ている。

早稲田オープンイノベーションフォーラムに出展しました

早稲田の産学連携の紹介と新たなマッチングを目的とする早稲田オープンイノベーションフォーラムに出展しました。
2019年に第1回が開催され、2020年はコロナで中止、2021年と2022年はオンライン開催でしたが、本年度はようやく対面開催。
裏事情を紹介すると、早稲田大学は2018年に国の「オープンイノベーション機構の整備事業」に採択され、2019年からの3回はこの資金を利用して開催したわけですが、2023年にはこの事業も終了していて、完全に大学単体の自主事業。なので新規の共同研究にどう結びついたか、などが真剣に問われるわけですが、果たしてどうだったのか。

研究室では、デベさんとの共同研究とSIPで取り組んでいる建物EV連携の内容を紹介。
建築学科からは田辺研、有賀研、高口研が出展したがちょっと寂しい感じ。

写真は修士1年生の横倉君が説明してくれているところ。
準備から含めご苦労様でした。

熊野 IHOKI BASE ウッドデッキ製作

前回の熊野出張で完成予定だったIHOKI BASAEのウッドデッキ。予定が遅れて学生のみで出かけて完成。
学生が設計して資材を発注、プロの手も多少借りながら概ね自分たちで施工。

ものは熊野の檜ですが、耐候性を高めるための塗料を塗った材、塗らない材で施工して、材料のショーケースと非核実験を兼ねています。
学生の皆さん、お疲れさまでした。

熊野 遊木 IHOKI BASEの内覧会を開催

熊野市の小さな漁港、遊木集落にあった空家の改修支援をしています。
我々が支援するのだから、当然ZEB改修といきたいところですが、そんなに世の中は甘くありません。諸々の予算、補助金をかき集め、知り合いには無償提供をお願いしてようやく、仮完成。改修はまだまだ続くのであくまでも仮ですが、簡易宿泊所として営業を開始するために一応のけじめ。

一体、何がはじまるんだろう・・・、と興味津々に見ておられた集落の方々にまずはお披露目ということで、内覧会を開催しました。
ゴールデンウィーク中でしたので、里帰り中の息子、娘世代もちらほら。
古い実家に泊まるよりはこちらに泊まりたい、との声も頂きました。

さて、とりあえず3週間後にもう一度訪問して、計画中のウッドデッキをセルフビルドします。乞うご期待。

最後のこれは、子供向けの間伐体験プログラム作りの試行

UIAゴールデンキューブ賞特別賞受賞「SDGsスーパーシティゲーム」

先般、JIAゴールデンキューブ賞にて優秀賞を頂いた、「SDGsスーパーシティゲーム」ですが、上部コンテストのUIAゴールデンキューブ賞の出版物部門(Written Media Category)にて、Honourable mentions(特別賞? 佳作?)を受賞しました。

UIAの世界大会が7月にコペンハーゲンで表彰式があるようです。
https://www.uia-architectes.org/en/award/the-golden-cubes-awards-5th-edition/

※UIA:International Union of Architects

SDGsスーパーシティゲームは、以下サイトで購入可能です。
https://insplace.co.jp/service/sdgs_supercitygame/

豊住 亮太君の修士研究 「EV 及び蓄電池が都⼼部商業地域の電⼒需要調整能⼒に与える影響」が早苗賞に選出されました。

当研究室の豊住 亮太君の修士研究が、2022年度の早苗賞に選出されました。
早苗賞は優秀な修士論文に与えられるもので、各分野で1人選出されます。

「EV 及び蓄電池が都⼼部商業地域の電⼒需要調整能⼒に与える影響」は、太陽光等の再生可能エネルギーの大量導入により、2030年以降、グリッド全体でも余剰電力が生じはじめることを示唆し(つまりDP市場が徐々に立ち上がり始める)たうえで、建物が電力の消費者から生産者、あるいは調整者に変わってグリッドの一部となった場合に求められる調整能力、特に蓄電池や電気自動車のボリューム感を明らかにしたものです。

まあ、少々荒いし、手が回らなかった点も多々あるのですが、評価されて良かったです。

熊野市遊木の民泊支援プロジェクト

熊野市遊木町にある空家の改修プロジェクト。
ゴールデンウイーク辺りに内覧会とウッドデッキのワークショップ。
その準備の実測。
偉そうなオヤジが睥睨しているのはちょうど大工さんの休憩時間にぶつかったため。
ShopBotも使おうという話が出ているが、使い手があるかどうか。含めて演習でしょうか。

学生も少し入れ替わって、熊野古道トレッキング。予定していなかったので平服。向こうからくる人には変な目で見られる。
空家改修のお隣さんに学生を挨拶に向かわせると、全員黒服コートのこともあり、何かの宗教の勧誘かと警戒される。内覧会へのお誘いとわかりしばし談笑。

平取町のバイオマス熱電併給施設

修士論文の現地調査に立ち会い。
北海道の平取町。VOLTERのCHPを入れて、隣接する公民館と国保病院に電気と熱を供給している。熱については、生チップの乾燥に2/3が使われており、病院に廻っているのは1/3程度。病院では外調機の加熱(病院なので加湿もしているかも)と給湯に使っている。発電量は40kW。

VOLTERはフィンランドの企業だが、日本で代理店ができたことと、木チップを燃料としてとっつきやすいからか、最近人気が出て導入数が増えている印象。通常は40kWのタイプを複数台入れてバックアップを取りながら運転するが、平取町のは一台。代わりに50kWh程度の蓄電池が入っている。停電時は蓄電池を使って起動する。公民館や病院の防災対策も兼ねる。

バイオマス施設と病院、公民館の電力供給をいくつかのモードで運転しているのだが、内容が複雑で担当者も大変そう。町の職員と病院の用務員(50%)が運転を担当しているトのことで、運転要員の継続性が課題か。

いずれにしても、エネルギー事業としては厳しいようで、防災・レジリエンス対策、カーボンオフセット価値、地域経済への波及などを考慮した総合的な価値付けが大事だろう。

調査は竹中工務店の山崎氏(木村研究室OB)との共同研究。今回も山﨑氏と同道。氏の紹介で室蘭工大の桒原先生に車を出して頂いて大変お世話になる。

遊木の空家改修

空家改修は、いろいろな大人の事情で猛烈なスピードで進んで行くので、基本設計を提案して後は施主さんと大工さんで細かい所を調整している。ということであっという間にこんな感じに。簡易宿泊所になる予定だが、できた後のプログラムづくりがこれからのメイン。

1月には竣工予定。