2012.01.24 中長期展望の重要性について
ここ数日中長期展望の重要性を考えされられる記事が立て続けに新聞に出た。一つは東北の地盤沈下のリバウンドについて。もう一つは省エネにまつわるスマートメーターに関する記事だ。
一つ目の記事は、東北の海岸線の歴史的考察から、東北沿岸は何度も地震に見舞われているが海岸線はほとんど変化していないというもの(どの新聞だったが記憶が曖昧なので今調べているところ)。また、あのあたりは地盤が潜り込んでいる所にあたるので、地震がないときでも毎年数ミリから数センチ沈下しているらしいのだが、この蓄積分も現在の海岸線の位置には見られない。つまり、時々沈下分のリバウンドがあって、海岸線の位置が元に戻っているらしいのだ。これがじわじわと戻るのか、大地震の際にドンと戻るのかはよく分かっていないらしい。
東日本大震災では、1mほど地盤沈下した。堤防や埠頭も沈んでしまい、現在急ピッチでかさ上げ作業が進められている。歴史は、この沈下分はいずれリバウンドして元に戻る可能性がある事を示唆している。本当であれば、これを考慮した設計をすべきなのだが、いつ来るかも分からないし、どのように戻るかも分からない条件下でいったいどのように設計すれば良いのか? 結局、従来通りのかさ上げを続けるしかないのか?
これも先日新聞に出ていたが、メガフロートという技術がある。巨大な浮きで福島原発の事故では汚染水タンクとして、本来の役割とは全く違う使い方をされてしまったが、技術としてはすでに完成している。この上に漁港や市場を作ってしまえば、地盤沈下の影響も受けないですむ。しかも、津波の影響もほとんど受けない。技術は造船技術をベースにしているので、東北の鉄鋼・造船関係の再生の起爆剤としても期待できるのではないかとも思う。
長くなったので、スマートメーターの話は次回に。