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熊本益城/球磨村仮設住宅調査

徐々に実地の調査も再開。
5年ほど前から仮設住宅の研究を始めたが、学生を連れての調査は初めて。学生も仮設かせつと言っているのだが、見たこともないというのでは話にならない。
昨年は電話とZOOMでお世話になった益城町と球磨村の仮設住宅を調査。
仮設住宅らしい益城町と新しいタイプの球磨村。益城町は地震災害で、球磨村は豪雨災害。

益城町の仮設住宅。既に大多数は転居し、自宅の竣工待ちの数世帯が残るのみ。仮設らしい仮設。

新しいタイプの仮設住宅。北海道のムービングハウス。従来はホテルとして利用されているコンテナ型の木造ユニットを移設して仮設住宅として利用する。県と提供元がリース契約のような形で契約し、利用終了後は元あったホテルの敷地に戻し、再度ホテルとして利用。


北海道仕様の高気密高断熱のため、24時間換気は良いとして、24時間空調を住民に求めた。カビの発生予防が目的で、確かにカビ発生の問題はあったらしい。掃き出し窓がない住宅が多いせいか? 換気量が少ないのか。電気代が高いというクレームはなかったよう。空家になってからもその対応は必要らしいのだが、そこはもったいないと感じているらしい。空いたところから返却できれば良いのだが、ホテルに戻す都合上、一括返却が条件となっているらしい。そこは仕組みとして改善が必要か。払い下げて欲しいという要望も何件かあったらしいが、リース物件なのでお断りとなったらしい。

熊本の全木協熊本県協会(昨年色々とお世話になった久原さんのエバーフィルドが担当。しかも断熱材はつい先日学生が工場見学したデコスのセルロースファイバーを使っている)が担当した県産材を使った仮設住宅。配置以外は仮設住宅感がほぼない。内装の仕上げも普通の家と変わりない。県のインタビューでも一件平均で1千万円ほどかかっているので、相応の品質ということなのだが、こちらは仮設住宅の基本通り、利用後は解体除却される。これは相当もったないない。十分恒久的な住宅として利用できる水準だが、こちらは欲しいという人はいなかったらしい。ムービングハウスと異なり、こちらは普通に基礎がある住宅なので、移設解体費用もそれなりにかかるが、欲しい人はいると思うのだが。県が建てて、村が運営管理をするという縦割りの制度上、村にはその権限がないのだが、何かやりようはあるだろう。

上のムービングハウスは、コンテナ型で基礎がなく、セメント板の上に置かれているだけなので移設は簡単。一方で、床下スペースがないので、インフラとの接合部はこなれていない感じでちょっと工夫が必要そう。

熊大の田中研の学生さんにもMshiki Lab、復興まちづくりセンター ”にじいろ”も案内してもらいました。
皆様、案内有り難うございました。