Notes

11.02.08 大林組技術研究所

Obayashi
第1期生の長谷川君が、風力発電の研究をしたいと言い出し、当時都市部に於ける小型風力発電の研究をしていた大林組の技術研究所にヒアリングに行ったとき以来、二度目の技術研究所訪問。新しい本館が完成したので、仲間の先生たちを誘って見学に出かけた。最初に声をかけて頂いたのは、この建物の企画をされていたO氏。
建物の第一印象は「ニーマイアーみたい」。一緒に行った1人は「エントランスはミースで、本館はコルビジェっぽい」と。端正なんだけど、ちょっと外したところがある、そんなところでしょうか。
さて、この本館は従来のオフィスビルと比較して、CO2を55%削減することを目指して計画された。残り45%分は何らかの形でオフセットするそうで、併せてZEBを達成する予定とのこと。55%の内13%は太陽光による発電なので、建物や設備によるものとしては従来型32%減ということになる。空調の熱源はガスと電気の併用で、エネルギー種変更由来の削減はそれほどないと思われるので、省エネルギーとしても同程度と思われる。ただし、この中にはマネジメント部分が8%ほど、つまり意図したことが適切に使われる、例えば自然換気のスイッチをちゃんと入れるなどが織り込まれているので、機械任せで削減できるのは20%強ということになる。
非常に挑戦的なのは、各座席に輻射熱の冷暖房パネルを設置していること。冬は約44℃、夏は約15℃の冷温水を廻す。PSさんとの共同開発。夏は15℃なので、結露を防ぐためにデシカント換気が入っている。自然換気は中間期のみ。
訪れたのは14時過ぎだったが、執務室レベルの室温は19.5℃、相対湿度32.1%、熱的には非常に快適。もちろんドラフトもない。ただ少々乾燥気味。執務室上部の3階吹き抜け部分でも23.7℃程度ともわっとした感じもしない。冬期はパネルを足下に置いてあるので、もう少し室温を下げても良いように思うが、一般のオフィスでよく見られる、膝掛けをした女性も全くおらず快適そうである。
さて、この他にも執務室を大空間にて職員間の交流を活性化するとか、いろいろてんこ盛りなのだがいずれ。
ところで帰り際に、何か外れているんだろう・・・。と眺めていて思ったのはこの建物、非常に大スパンを飛ばしていて、柱も細い。その辺からくる不安感が原因と納得した。これもまた、技研ならではである。