201100505 東日本大震災 仮設住宅
写真は気仙沼で建設中の仮設住宅。ダイワハウスが建設を担当。それこそ不眠不休で建設作業が続けられている。敷地は地元中学校の校庭。すぐ横にはテニスコートがあり、クラブ活動が続いている。
建物は、この写真のように掘っ立て基礎を打ち込んだ上にプレハブが置かれる形で建設されている(写真は石巻の別の敷地)。基礎と土台は金属プレートをビス留め、もしくはカスガイで留めることの。本格的な余震に対しては、かなり危なっかしいのだがスピード優先。中途半端に強く留めるよりは、動いた方が免震になるか? このあたりの考え方は不明。
下水がない場合は、奥に見えるように合併浄化槽で対応。処理水は側溝に流すとのこと。
見た感じ、隣棟間隔がかなり狭い。入り口は一律南に面している。
断熱は寒冷地仕様とのこと(とある現場監督さん曰く)。プレハブ協会が出している、応急仮設住宅の建設マニュアル(案)では、天井と壁の断熱がグラスウール50mmとなっている。新潟の時は天井が100mmとの報告があったので、これが寒冷地対応ということかも知れない。壁50mm以上の断熱があるようには見えない。
新潟では、屋根の結露が大きな問題となった。結露が天井の断熱にしたたり落ち、ぐしょぐしょになった断熱材から雨漏りが発生したとの研究報告があったように思う。前出の現場監督さん曰く、岩手では小屋裏に換気扇をつけて強制換気する仕様になったが宮城はない。細かい仕様は県が決定しているとのこと。
建築学会では、仮設住宅の配置方法、入り口の設け方、仮設住宅への入居者決定方法、また寒冷地対応としての断熱のあり方など、阪神淡路、新潟を経験し、かなりの時間をかけて議論されてきたように思うのだが、ここでもそれが活かされているところとそうでないところ、対応がまだら状態になっている。
気仙沼は特に仮設住宅の敷地が少なく、遠くの仮設住宅に入居したくない被災民が寺などに避難している。
既に、被災者の背景も様々になっており、一様に仮設住宅というのではなく、多様な支援が必要な時期に来ている。